ビジネスモデルを生み出す手順

【新しいビジネスモデルを生み出す手順】基本パターン

新しいビジネスモデルはどのようにして生まれるのか?

新しいビジネスモデルを生み出すために必要なことは、既存のビジネスモデルの課題(問題点)又は潜在的なニーズを見つけることです。

その課題又は潜在的なニーズを見つけ、その課題又は潜在的なニーズを解決する方法を見つけることができれば、新しいビジネスモデルを作ることができるチャンスです。

今回の記事が少しでも新しいビジネスモデルを生み出す参考になれば幸いです。

今回の記事では、「顧客(消費者)に対してサービスを提供するビジネスモデル」を想定しています。

目次

新しいビジネスモデルを生み出す流れ

ステップ1:既存のビジネスモデルの調査・分析

既存のビジネスモデルの調査・分析を行うことが第1のステップです。

ビジネスモデルの研究者になるわけではないのですから、既存のビジネスモデルについて手当たり次第に調査・分析するのは効率が悪いように感じます。

一般的には、専門的な知識のある分野、他の人よりも詳しい分野、興味・関心のある分野などのビジネスモデルを調査・分析することから始めます。

ここでいう調査・分析は、ビジネスモデルの課題(問題点)潜在的ニーズを探すための調査・分析のことをいっています。

ステップ2:既存のビジネスモデルの課題(問題点)又は潜在的なニーズの発見

既存のビジネスモデルの課題(問題点)又は潜在的なニーズを発見することが第2のステップです。

ステップ2-1:課題(問題点)の発見

なお、第1のステップの「既存のビジネスモデルの調査・分析」を行う前に、既存のビジネスモデルの課題を発見する場合もあり得ます。この場合は、第1のステップの「既存のビジネスモデルの調査・分析」を省略することができます。

現在、一般に行われているビジネスモデルには必ず何か課題(問題)は存在します。

ここでいう「課題(問題点)」は顧客から見た場合のサービス(ビジネスモデル)の課題(問題点)のことです。顧客がサービスに対して持つ不便さや不満のことです。

例えば、スーパーマーケットのレジ待ち時間の問題があります。

私がよく行っているスーパーでは曜日や時間帯によっては、レジの前に長い行列ができています。その時間帯はすべてのレジに店員が配置されていますし、レジ係の店員も一生懸命レジ打ちをやっています。しかし、曜日や時間帯によってはお客さんの数とレジの数が合っていません。

このような問題点を解決する一つの方法がレジ無し店舗の「Amazon Go」です。「Amazon Go」は、アマゾンが展開する「食品小売店」で、日本のコンビニエンスストアのようなものです。

また、巨大なホームセンターで目的の商品を見つけるのが困難です。

店員さんに商品の場所を聞くのが一般的ですが、店員さんがなかなか見当たらない場合があります。また、店員さんが他のお客さんに対応している場合は、お客さんへの対応が終わるまで待っていなければなりません。

大きな書店や図書館、レンタルビデオ店などには、商品の検索システムがありますが、私が知っているホームセンターでは、そのような検索システムがありませんでした。

このような問題点を解決する一つの方法がホームセンターのカインズ(CAINZ)が提供するカインズアプリです。

カインズアプリは、顧客が登録した店舗における商品の在庫をアプリで見ることができるとともに、「お気に入りの商品」を登録すると商品の売場がアプリで見ることができます。さらに、購入時にレジでアプリの「会員証画面」を提示することでポイントを貯めることができます。

今あげた例は、私が今思い浮かんだものですが、多くの既存のサービスには改善の余地があると思います。

既存のビジネスモデルの課題を発見するためには、常に問題意識を持つことが必要です。少しでも不便や不満を感じたことがあれば、それがヒントになる可能性があります。 そのようなちょっとした気付きも、すぐに忘れてしまいますので、何か感じたらメモしておくことも重要です。

不満買取センター」というサービスがあります。

この「不満買取センター」は、企業の商品やサービスの不満を顧客(消費者)から買い取るサービスです。

不満を提供してくれた顧客にはポイントを与え、顧客から集めた商品やサービスの不満を企業に売ります。企業は、不満買取センターからの不満のデータをもとに商品やサービスの開発・改善に利用します。

「不満買取センター」というサービス自体が新しいビジネスモデルですが、企業は顧客の不満を商品やサービスの開発に役立つ重要な情報として考えています。

ステップ2-2:潜在的ニーズの発見

顧客(消費者)は既存のサービスが当たり前のことだと思い、既存のサービスに対して不便さや不満を感じていないこともあり得ます。つまり、顧客は本当に求めているニーズ(潜在的なニーズ)に気付いていない場合が多いものです。

ペットを飼いたいと思っている人は、犬や猫が好きでかわいいから飼いたいと思っているかもしれませんが、普段ストレスを感じていて、本質的には心の安らぎを求めているのかもしれません。

かっこいいスポーツカーを買いたいと思っている人は、女性にモテたいと思っているのかもしれません。

顧客が持っている潜在的なニーズを発見することで、異なるアプローチで顧客の潜在的ニーズを満足させるような新しいビジネスモデルを生み出す可能性がでてきます。

・何かひらめきのようなものによって既存のビジネスモデルの課題を発見することがあるかもしれません。

・また、特定の分野について専門的な知識を有する人は、いち早く既存のビジネスモデルの課題を発見することがあります。

・また、さまざまなことに興味を持ち、ビジネスの感性が豊かな人は、他の人よりも早くビジネスモデルの課題や顧客(消費者)の潜在的ニーズに気付くことがあるかもしれません。

他の人よりも早く課題や潜在的ニーズを発見した場合、新しいビジネスモデルを事業に発展させるチャンスです。

ステップ3:新しいビジネスモデルの需要及び課題解決手段(ソリューション)の検討

新しいビジネスモデルの需要及び課題解決手段(ソリューション)を検討することが第3のステップです。

なお、このとき、第1のステップの「既存のビジネスモデルの調査・分析」が不十分な場合、もう一度、詳細に調査・分析する必要があるかもしれません。

誰よりも早く既存のビジネスモデルの課題を発見できればよいのですが、多くの場合、すでに他の人が既存のビジネスモデルの課題に気付いています。

既存のビジネスモデルの課題が存在するにもかかわらず、その課題を解決(クリア)したビジネスモデルが普及していない場合、次のようなケースが考えられます。

  • 新しいビジネスモデルの需要がない(あるいは需要が少ない)
  • 課題を解決するのが困難

・新しいビジネスモデルの需要がない(あるいは需要が少ない)。

新しいビジネスモデルを考え付いても、そのビジネスモデルの需要(ニーズ)がない、あるいは需要が少ない(狭い顧客層の需要しかない)場合があります。

また、新しいビジネスモデルを実現するための費用や労力に見合った需要がない場合(費用対効果が合わない場合)も考えられます。

このような場合は、別のビジネスモデルのアイデアを検討した方がよいかもしれません。

しかし、需要は時代によって変化しています。

例えば、今はさまざまな商品やサービスの利用形態にサブスクリプション方式が取り入れられています。

サブスクリプションは、商品やサービスごとに購入金額を支払うのではなく一定期間の利用権として定期的に料金を支払う方式のことです。

今は、物を所有するよりも必要な時だけ使えればよいと考える人が増えたので、サブスクリプションが商品やサービスの利用形態として多く利用されるようになったのだと思われます。

例えば、現在、美容や脱毛に関心のある男性が増えています。ひと昔前ならそのようなサービスを求めている男性は少なかったでしょう。

実際のところ、新しいビジネスモデルの需要(ニーズ)があるか否かを判断するのは難しいです。需要があるか否かはやってみないと分からないところもあります。

顧客の利益と需要との関係

一般的には、新しいビジネスモデルによってもたらされる顧客(消費者)の利益が高い程、新しいビジネスモデルの需要が高くなる傾向があります。

新しいビジネスモデルによって顧客(消費者)に対して高い利益(価値、利便性)を如何(いか)に提供することができるかが鍵になります。

・課題を解決するのが困難

課題を解決するための技術的なハードルが高い場合があります。

例えば、スーパーでAmazonGoのようなサービスを実現するのは現在では難しいかもしれません。

しかし、技術は日々進歩しています。数年前まで実現することが困難なものが現在は実現することが可能になっているものがあります。また、現在は実現することが困難だったとしても数年後には実現することが可能になっているかもしれません。

例えば、「タイミー」というサービスをテレビのCMで見ました。「タイミー」は、働きたい時間と働いて欲しい時間をマッチングするスキマバイト募集サービスです。

隙間時間に働きたい人と、隙間時間でも働いてほしい会社は以前から存在していました。マッチングの技術が進歩したことによって、このようなサービスが実現できたものと思われます。

このように技術的な課題をクリアできたとき、新しいビジネスモデルを生み出す大きなチャンスとなります。

また、法律の規制によって新しいビジネスモデルの課題を解決することが困難な場合もあります。

しかし、法律の規制も徐々に緩和されています。

例えば、今は民泊の事業が一般的に行われていますが、昔よりも民泊に対する規制が緩和されたことにより民泊の事業を行う会社が増えました。

法律の規制が緩和されたとき、新しいビジネスモデルを生み出す大きなチャンスとなります。

・潜在的ニーズを満足させる異なるアプローチ

既存の手法とは異なるアプローチで顧客の潜在的ニーズを満足させることができれば、需要の多いビジネスモデルを創り出すことがでてきます。

ペットを飼いたいと思っていても、一人暮らしだったり、賃貸マンションに住んでいれば、なかなかペットを飼うことができません。

しかし、ペットを飼いたいと思っている人が本質的には心の安らぎを求めているのであれば、ペット以外の別の手法で心の安らぎを提供できれば、そのような人に対する需要があることになります。

例えば、ソニーの犬型ロボットaiboは、生きているペットの代替手段としてなり得ます。また、心の安らぎを提供するような強力なコンテンツを創り出せれば、需要の多いサービスを提供することができるかもしれません。

ステップ4:新しいビジネスモデルの構築

実際に新しいビジネスモデルを構築することが第4のステップです。

新しいビジネスモデルに対する需要があり、課題や潜在的ニーズを解決する手段を見つけた場合は、新しいビジネスモデルを構築する作業に入ります。

このとき、あらためて既存のビジネスモデルを調査・分析することが必要になります。ここでいう調査・分析は、主に既存のビジネスモデルを利用して新しいビジネスモデルを構築することができるかどうかという観点からの調査・分析です。

  • 新しいビジネスモデルを構築(実現)する場合、既存の技術の組み合わせや改良で実現可能か、新たなシステムの開発が必要か
  • 新しいビジネスモデルを構築する場合の資金は少なくて済むか、多くの資金がかかるか
  • 新しいビジネスモデルを一人で構築することが可能か、複数人で構築する必要があるか、大人数でなければ無理か

などによって難易度が変わります。

ビジネスモデルの形態によって異なりますが、このステップ4の作業が最も困難な作業になる可能性が高いです。

一人で無理ならば仲間や知り合いに頼んだり、外部に依頼する(外注する)ことも考慮する必要があるかもしれません。

多額の資金がかかる場合、自分で資金を調達するのがベストですが、現在はベンチャーキャピタルの投資に頼ることも一般に行われています。ベンチャーキャピタルが投資してくれるのであれば、新しいビジネスモデルが優れたアイデアに基づいたものである可能性が高いことになります。

このように、状況によっては、大変な作業になりますが、大きなチャンスが見えているのであれば、やるしかないでしょう。

まとめ

今回は、既存のビジネスモデルの課題や顧客の潜在的ニーズからビジネスモデルを生み出す方法を紹介しました。

ステップ1~ステップ3の作業は、自分で調べたり、自分の頭の中で考えたりすることで実行可能なものです。当然、コストがかかるわけではありません。

複数のアイデアを温め、その中から最も良さそうなものを選ぶのがよいのかもしれません。

ステップ4の作業は、実際にビジネスモデルを構築する作業ですので、さまざまなハードルがあるかもしれません。ビックチャンスが想像できているのであれば、やりきるしかありません。

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