接客業の将来

 アマゾンがレジ無しの店舗「Amazon Go」を2018年9月に発表しました。「Amazon Go」は、アマゾンが展開する「食品小売店」で、日本のコンビニエンスストアのようなものです。

 このアマゾンの発表を聞いて、将来、日本のコンビニなどでも省人化が進むんじゃないか、それではお店の店員さんはいらなくなってしまうんじゃないか、こんなことを考えました。

 そこで、今回は、お店でお客さんを接客する接客業の将来について考察してみました。

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目次

1.接客業の現状

(1)コンビニ、スーパーマーケット

(2)飲食店

(3)ファッション

(4)家電量販店

(5)銀行

(6)宿泊施設

(7)その他

2.接客業の将来

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1.接客業の現状

(1)コンビニ、スーパーマーケット

コンビニ
 Amazon Go のようなレジ無し店舗は日本でも進んでいるようです。2020年12月現在、セブンイレブンがNTTデータと連携して「レジ無し店舗」の実証実験を開始しているようです。また、ローソンも「レジ無し店舗」のローソンGOの実証実験を開始しているようです。

 また、最近は、複数あるレジの一部をセルフレジにしている店舗が増えてきました。

 ただし、レジ無し店舗といっても、商品を陳列するのは店員が行うので、完全に無人になるわけではありません。また、日本のコンビニの場合、商品を売る以外の様々なサービスを行っているので、完全にレジや店員をなくすことは現状難しいように思われます。

 ※私も昔、深夜にコンビニでアルバイトをしたことがあります。深夜のコンビニにお客はあまり来ないのですが、仕事の大半は商品の陳列、値札貼り、消費期限切れの商品の廃棄などでした。

 Amazon Go のようなレジ無し店舗では、複数のカメラやセンサで顧客がどの商品をとったかを認識しているので、万引き防止策になります。

・スーパー

 スーパーでも省人化は進んでいます。私がよく行くスーパーではセルフレジと店員のレジとがありますが、セルフレジの方が数が多いです。

 また、レジのバーコードスキャンは店員が行って、会計はタッチパネルを備えた機械で行っているお店が多いです。

 このような省人化は、店員の数を減らすことだけでなく、顧客のレジ待ちの時間を短縮する効果があるようです。

(2)飲食店

・チェーン店
 ファーストフード店の中の牛丼店では、タッチパネルで料理を注文し、店員が会計を行うお店と、食券機で食券を買うお店とがあります。これらのお店は昔から省人化が進んでいるので、特に近年になって省人化している印象はありません。

 ハンバーガーショップでは、まだ店員が対応しています。省人化は進んでいない印象です。

 ファミリーレストランや居酒屋でも、タッチパネルで料理や飲み物を注文し、会計は店員が行うお店が多いと思います。

 回転寿司店は、お寿司を回転ベルトにのせて運ぶという画期的な方法で省人化を図り、顧客に低価格でお寿司を提供するという省人化の象徴的な存在です。回転寿司店でも、タッチパネルで料理や飲み物を注文し、店員が会計を行うお店がほとんどだと思います。

・チェーン店以外
 チェーン店以外のお店のほとんどは、店員が注文を取り、料理を運び、会計を行っています。チェーン店のようにシステム化するのにコストがかかります。小さい店舗ではコストをかけてまでシステム化するメリットはないのでしょう。

(3)ファッション

 最近は、オンラインで洋服などを買う人が増えてきています。洋服などは試着して自分に合うサイズかどうか確かめる必要があるので、オンラインで洋服などを販売するというのは難しいと思われていましたが、近年は当たり前に行われています。同じお店で以前に買ったサイズと同じサイズなら特に問題がないのでしょう。

 オンラインファッションサイト大手のZOZOがオンラインで採寸するZOZOスーツを発表したときは、これは面白いと思いました。

 オンラインで服を販売する弱点であるピッタリのサイズの服を顧客に提供することができるとともに、顧客の体のサイズという情報を得ることができるからです。顧客の体のサイズという情報を得られれば、服だけでなく、例えばダイエットや食品など多くの事業に展開できる可能性があります。

 ただし、女性が自分の体のサイズを知られるのを嫌がるんじゃないかなとも思いました。自分の体重を言うのも嫌がる人がいるので・・

 2020年現在、ZOZOスーツによる採寸は精度が悪かったらしく、いまいち流行っていない印象です。

 オンラインで洋服などを買う人が増えるほど、実店舗のお店は苦境に立たされることになります。オンラインでの採寸の精度は今後上がっていくでしょうから、何か特徴を出さないと、実店舗だけのお店はますます厳しくなると思います。

(4)家電量販店

 家電などもオンラインで買う人が増えています。ネットショップの弱点は実際の製品を見られないことですが、実店舗で製品を下見して、実際の製品はネットで買う人もいると聞きます。

 荷物をお店から家まで待ち運ぶのが面倒だし、ネットの方が製品の品ぞろえも豊富なので、今後もオンラインで家電製品を買う人は増えるでしょう。

 実店舗が強みを出すとすれば、顧客と接客する店員さんの知識量だと思います。店員さんが豊富な知識に基づいて製品を比較した上で製品をおすすめすることを極めるしかないと思います。

(5)銀行

 銀行もオンラインで手続きできることが増えてきました。これによって、銀行で長時間待たされることが少なくなりました。銀行の店舗も徐々に減ってきたように思います。今年、みずほ銀行が週休3日、週休4日制度の導入を発表していましたが、人件費削減のように見えます。

(6)宿泊施設

 旅館や高級なホテルでは、おもてなしの心で多くの従業員さんが接客していますが、比較的安価なビジネスホテルなどでは機械でチェックインとチェックアウトを行うことが多くなっています。

 HISが展開する「変なホテル」はロボットがフロントで受付するホテルです。このようなホテルが増えていくかもしれません。

(7)その他

 その他のお店でも省人化の傾向は進んでいくと思います。

2.接客業の将来

 上述したように、技術が発展し、機械化、ロボット化が進むにつれて、人件費の削減のため店舗での省人化は進んでいくと思います。これは商品やサービスが安くなり結果的には顧客の利益につながります。

 しかし、接客業が完全になくなることはないと思っています。人は人と接することでストレスにもなりますが、人と接することで癒しにもなります。人と接したいという欲求があるので、機械やロボットで対応するお店と差別化することにより、人が接客する価値が再認識されると思います。
 おもてなしを売りとするお店は生き残っていくことができるでしょう。 

 また、チェーン店などの大きな会社は機械などに設備投資することができますが、小さな会社(個人事業主を含む)は設備投資ができないので人が接客するしかありません。この場合も、小さな会社は大きな会社と差別化するために、接客の技術を磨くしかないと思います。

 このように二分化していくだろうと想像していますが、人が接客する場合の接客の技術が問題となります。

 お店で接客している人の中にも、接客がうまいなーと思う人とそうでない人がいます。なんていうかサービス精神があるというか、機転がきくというか、感じのよい人がいることは確かです。これは個性というか生まれ持ったものかもしれません。経験やヤル気で変わってくるのかもしれません。

 私の個人的な意見としては、コンビニの場合、若い店員さんはあまり接客がうまくない印象があります(個人差がかなりありますが)。もう少し年配の女性の店員さんはテキパキと接客してくれる印象があります。年配の男性の店員(店長や店長っぽい人を除く)は接客が下手な印象を持っています。

 ファーストフードの場合、愛想が悪いわけではないですが、何かマニュアル化されていてお客を機械的にこなしているような印象を受けることがあります。

 接客の上手さは数値化するのが難しいかもしれませんが、接客の技術は価値があり、大型店との差別化を図る上でも重要になってきます。今まで以上に店員の接客の上手さによって細かく給料や時間給を調整することが必要になってくるかもしれません。

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