「デザイン」カテゴリーアーカイブ

商品、パッケージ、サイト、ロゴなど、さまざまなモノのデザインを考察しています。また、さまざまなコトのデザインについても考察しています。

デザインとアートの違い

【デザインとは】デザインとアートの違いからデザインの意味を考える

そもそもデザインとは何か?ということを考えていくと難しいものがあります。

デザインという言葉の意味が意外と広く、意味が抽象的で曖昧な印象だからです。

今回は、デザインとアートの違いを通じてデザインの意味を考えてみました。

1.デザインとアートの定義

1-1 デザインの定義

goo辞書(デジタル大辞泉) デザイン(design)の解説

(1)建築・工業製品・服飾・商業美術などの分野で、実用面などを考慮して造形作品を意匠すること。「都市をデザインする」「制服をデザインする」「インテリアデザイン」

(2)図案や模様を考案すること。また、そのもの。「家具にデザインを施す」「商標をデザインする」

(3)目的をもって具体的に立案・設計すること。「快適な生活をデザインする」

(1)と(2)の意味が日本で一般的に使われている「デザイン」という言葉のイメージに合っています。

(3)の意味で「デザイン」という言葉が使われている場面も目にすることがあります。後述する「デザイン思考」の「デザイン」は(3)の意味に近い使われ方です。

1-2 アートの定義

goo辞書(デジタル大辞泉) アート(art)の解説

芸術。美術。「ポップアート」

辞書の説明がシンプル過ぎてデザインとの違いが明確ではありません。

辞書の定義からはデザインとアートの違いがわかりにくいため、別の角度からデザインとアートの違いを明確にしていこうと思います。

2.デザインとアートの違い

デザイン思考とアート思考

2-1 デザイン思考とアート思考

近年、新しいアイデアを生み出すための思考方法として注目されているのが「デザイン思考」と「アート思考」という考え方です。

「デザイン思考」とは、デザイナーによるデザイン制作における思考方法を用いて、新しいアイデアを生み出す思考プロセスのことをいいます。

「アート思考」とは、アーティストが作品を創り出す思考方法を用いて、新しいアイデアを生み出す思考プロセスのことをいいます。

両者を比較することで、デザインとアートの違いを考えてみます。

(a)デザイン思考

デザイン思考では、ユーザーを深く理解することにより、ユーザーの潜在的な課題にアプローチし、その課題の解決策を生み出します。

デザイン思考のプロセスにはいくつかの種類があります。

次に示すデザイン思考のプロセスは、Smart Stage「デザイン思考5つのステップ」の記事を参考にしました。

STEP1 共感

インタビューや行動観察を通して、ユーザーの悩みや課題を理解すること

STEP2 問題定義

ユーザーにとって本当の問題(課題)は何か、何を望んでいるかの概念化(言語化)

STEP3 創造

ユーザーの問題やニーズを解決するためのアイデア出し

STEP4 プロトタイプ

アイデアを実現するプロトタイプ(試作品)を一旦制作する

STEP5 テスト

プロトタイプに対するユーザーからフィードバックにもとづく改善・ブラッシュアップ

(b)アート思考

アート思考では、自分を起点に、価値観の再定義を繰り返しながら、自分なりの答えを描き出します。

アート思考のプロセスもいくつかの種類が提案されています。

次に示すアート思考のプロセスは、NTT DATA「アート思考~先行きが不透明な時代の思考法~」の記事を参考にしました。

STEP1 自分を起点にする

自分の些細な気づきや、違和感、小さな疑問等を大切にする。「正解は何か」ではなく、「自分がどう解釈したか」を起点にする。

STEP2 アウトプットする

言語だけでなく、身体全体を使って、感じたこと、思ったこと、考えたことをアウトプットしてみる。「正しい答え」ではなく、「自分なりの答え」を追求する。

STEP3 価値観を再定義する

アウトプットに対して、他の人からフィードバックを受ける。あるいは「もし他の時代だったら?」「他の文化圏だったら?」など、異なるコンテキストに置いてみる。自分が常識だと思っていた価値観を相対化することにより、新たな気づきを得て、価値観を再定義する。

(c)デザイン思考とアート思考の比較

デザイン思考ユーザー起点
アート思考自分起点
デザイン思考とアート思考の比較

デザイン思考では、ユーザーのニーズを起点にアイデアを創出するのに対して、アート思考では、実現性やニーズに関係なく、自分の自由な発想を起点にアイデアを創出します。

意匠法と著作権法

2-2 意匠法と著作権法

デザインを保護する法律として「意匠法」があり、アートを保護する法律として「著作権法」があります。

両者を比較することで、デザインとアートの違いを考えてみます。

(a)意匠法

意匠法の「意匠」の定義

「意匠」とは、物品の形状、模様、色彩、これらの結合(以下「形状等」という。)、建築物の形状等、又は画像であって、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう(意匠法第2条第1項)。

意匠法は、物品等の外観(形状、模様、色彩、これらの結合)を保護する法律です。

上記の意匠の定義には、ユーザーの視点が入っていません。

しかし、意匠法で保護を受けるためには、同一のものを量産できること(量産性)が必要であり、一品制作のものは意匠法で保護されません。この点で、一品制作の著作物も保護される著作権法と異なります。

このような観点から、意匠は多くのユーザーの目に触れる物品等に施されることが前提となっています。

「美感を起こさせるもの」には機能美と装飾美が含まれます。

機能美は、機能を追求した結果、美しくなることであり、 装飾美は、装飾を施すことにより美しくなることです。

意匠法では、見た目の美しさだけでなく、ユーザーの使い心地や使い勝手がよいものも保護されます。

(b)著作権法

著作権法の「著作物」の定義

「著作物」とは、思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう(著作権法第2条第1項第1号)。

上の条文には誰の思想又は感情とは記載されていませんが、著作者(創作者)の思想又は感情を伴っていることが「著作物」と認められるための条件となります。

「著作者の権利」には、人格的利益 (精神的に傷つけられないこと)を保護するための「著作者人格権」と、財産的利益 (経済的に損をしないこと) を保護する「著作権(財産権)」の二つがあります。

著作物には著作者の思想や感情が色濃く反映されているため、第三者による著作物の利用態様によっては著作者の人格的利益を侵害するおそれがあります。このため、著作権(財産権)だけでなく著作者人格権も著作者の権利として認められています。

このように著作権(財産権)だけでなく著作者人格権も認めている点が、意匠権(財産権)だけを認めている意匠法と大きく異なります。

(c)意匠法と著作権法の保護対象の比較

意匠法多くのユーザーの目に触れる物に施されたもの
著作権法著作者の思想又は感情を創作的に表現したもの
意匠法と著作権法の比較

意匠法では、多くのユーザーの目に触れる物に施されたものを保護するのに対して、著作権法では、著作者の思想又は感情を創作的に表現したものを保護します。

2-3 ユーザーの求めているものを意識するか否か

以上の比較から、「デザイン」はユーザーが持つ問題を深く理解し、問題を解決することであると考えられます。

また、「アート」はアーティストが自身の興味・好奇心・疑問に対する答えを探究し、その答えとして思想・感情を創作的に表現することであると考えられます。

従って、「デザイン」と「アート」を分ける基準の一つは、創作する者がユーザーの求めているものを意識するか否かです。

3.ユーザーの求めているものとは?

デザイナーは、ユーザーが求めているものを考える必要がありますが、「ユーザーが求めているもの」が何かを探すことは簡単ではありません。

「ユーザーが求めているもの」について考えてみました。

3-1 シンプル

多くのユーザーに受け入れられるデザインとして、まず、シンプルなデザインが思い浮かびます。

シンプルなデザインは、必要な機能以外の無駄なものを可能な限り削ぎ落していく作業を行っていくことになります。

スティーブ・ジョブズも次の言葉を残しています。

Design is not just what it looks like and feels like. Design is how it works.
デザインは単にどう見えるかやどう感じるかではない。デザインはどのように機能するかだ。

3-2 個性

多くのユーザーに受け入れられるもの(万人受けするもの)を目指すと、個性がないものができてしまうおそれがあります。

個性がないものは面白くなく、結局、誰からも受け入れられないものになってしまいがちです。

価値観が多様化している現代、万人受けするものよりも特定のユーザーに強烈に受け入れられるようなものを目指すことが個性を出すための解決手段の一つです。

具体的なユーザー(ペルソナ)を想定し、そのユーザーに向けてデザインすることで、個性が出て結果的に多くの人に受け入れられるということもあり得ます。

3-3 ユーザーの求めているものを考えない

ユーザーの求めているものを考えすぎず、思い切って自分が好きなものを追求していくことが面白いデザインを創り出す手段の一つかもしれません。

ジブリの宮崎駿監督が「ヒットするかどうかを考えるとダメなんだ。そんなことを考えるとヒットしない」というようなことをテレビ番組(確か宮崎監督の密着ドキュメントのような番組)で言っていた記憶があります。

(正確な発言は忘れました。また、テレビ番組の動画を探してみましたが見つかりませんでした。すみません。)

上述したアート思考の考え方からすると、宮崎監督の発言は正解ということになります。あまりにもユーザー(映画の場合は観客)の欲求を考えすぎると、自分の価値観がぶれてしまいます。

デザインにも当てはまります。自分自身もユーザーの一人なので、自分の求めているものを追求することによって面白いものが出来上がるかもしれません。

4.まとめ

デザインとアートの本質的な違いについては、ある程度明確になったと思います。

しかし、良いデザインとは何かという問いに対しては、正直に言って正解が分かりません。正解がないのかもしれません。

結局、ユーザーのことを深く考え、自分の価値観を深く考えることが大事なんだと思います。

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かっこいいデザインのサイト

ワードプレスでかっこいいデザインのサイトを作る方法

私のサイトは見ての通りデザインに凝っているわけではありません。しかし、かっこいいデザインのサイトへの「あこがれ」はあります。例えば、

博報堂のサイト

こちらは博報堂さんのサイトです。シンプルですがレイアウトや細部のデザインにこだわりを感じます。このサイトもワードプレスで制作されています。

ビジネスに用いるサイトの場合、サイトのデザインが会社のイメージに影響しますので、サイトのデザインについても気を配る必要があります。

そこで、かっこいいデザインのサイトを作る方法を考察しました。

目次

1.クオリティの高い写真を貼る

なるべく費用をかけずにワードプレスでサイトを制作する場合、無料のテーマを使用することになります。

無料のテーマで見栄えを良くしようと思ったら、写真(画像)の力を借りる必要があります。サイトにクオリティの高い写真を貼ることで、かっこいい雰囲気やおしゃれな雰囲気がでると思います。

ネット上にはクオリティの高い写真がそこら中にころがっていますが、著作権の問題があるので、勝手に使用することはできません。

(1)自分で撮影

自分で撮影した写真であれば著作権の問題が生じません。

写真を撮影するのが好きで、プロ並みの技術があるのでしたら、自分で撮影した写真を使ってサイトの雰囲気を作っていくことができます。

インスタグラムでは多くの方がクオリティの高い写真を投稿しています。コツさえつかめればスマホでもクオリティの高い写真を撮影できるようです。

スマホで良い写真を撮るコツってなに?プロが教えるスマホカメラの使い方

(2)フリー素材を使用

クオリティの高い写真を自分で撮影する自信がない場合は、フリー素材(無料で利用することができる写真)を使用することをおすすめです。

ネット上にはフリー素材を提供しているサイトが数多く存在します。

こちらは海外のフリー素材を提供しているサイト(Unsplash)です。クオリティの高い写真がいっぱいあります。無料で利用でき、商用利用も可能です。

実は、本ブログのヘッダー画像もUnsplashからダウンロードした画像を使用しています。

Unsplash

その他にもフリー素材を提供しているサイトはあります。写真ばかりではなくイラストを提供しているサイトもありますが、ご紹介しておきます。

かわいいフリー素材集 いらすとや

フリー素材のぱくたそ

写真素材なら「写真AC」

無料イラストなら「イラストAC」

これらは日本のフリー素材を提供しているサイトです。利用規約をご確認の上、ご利用してみてください。

なお、無料のテーマの中でも次のテーマは多くの方が利用している人気のテーマのようです。

  • Cocoon(コクーン)
  • Luxeritas(ルクセリタス)
  • Xeory Extension(セオリー エクステンション)

2.CSSを編集

サイトのレイアウトや細部のデザインをカスタマイズしようとすれば、CSS(Cascading Style Sheets)を編集する必要があります。

CSSはHTML要素をスタイリングするために使用されています。CSSを編集することで、ワードプレスのテーマ内の外観を変更することができます。

HTMLはサイトの外観の基礎を構築するために使用され、CSSはそれをより細かにスタイリングするために使用されます。

CSSはワードプレスのダッシュボードからも編集することができます。

ダッシュボードの「外観」→「テーマエディター」をクリックすると、次のような画面が表示されます。

テーマエディター

「注意!WordPressダッシュボードでテーマを直接編集しているようです。直接編集しないようお勧めします。・・・」

このような警告文が表示されます。素人がCSSをいじるのはテーマが大きく崩れてしまいそうで怖いです。

正直、私はCSSを学んでいないのでCSSを解説することができません。

Web開発やWebデザイナーを志す方、興味がある方は、HTML、CSS、JavaScript、PHPを学んでください。

3.有料のテーマを使用

ワードプレスでは、無料のテーマが数多く用意されていますので、自分の好みのレイアウトやデザインのテーマを選ぶことができます。

また、ワードプレスでは、CSSを編集することなく、サイトの外観をある程度カスタマイズすることができます。例えば、サイドバーやフッターにメニューやカテゴリー、アーカイブ、プロフィールなどを表示したり、反対に消去したりすることができます。

しかし、無料のテーマにも問題(というか気になること)があります。

無料のテーマのフッターには、「Proudly Powered by WordPress」という表記や、テーマを作成した作成者のクレジット(著作権者・原作者などの名前)の表記がされています。

ワードプレスの公式テーマには「Proudly Powered by WordPress」と表記されているだけです。この表記は「Remove “Powered by WordPress”」というプラグインをインストールして有効化することで簡単に削除(消去)することができます。

一方、ワードプレスの公式テーマ以外のテーマは、テーマ作成者のクレジットが表記されていることがほとんどです。このテーマ作成者のクレジットは簡単に削除することができません。

WordPressのクレジットやテーマ名を非表示または削除する方法

上のサイトでは、テーマのクレジット表記を削除する方法が記載されています。この解説のように、クレジット表記を削除するためには、ワードプレスのダッシュボードの「外観」→「テーマエディター」からfooter.phpを編集する必要があるようです。

これもCSSの編集と同様、本当に正しくできているか判断するのが難しく、素人には少し怖いです。

クレジットが表記されないようにする簡単な方法は、有料のテーマを使用することです。

ワードプレスの公式テーマ以外のテーマは無料版と有料版があり、無料版はクレジットを簡単に削除できないようになっていますが、有料版はクレジットを簡単に削除できるようになっています(またはクレジットが表記されない)。

有料のテーマはデザインも当然優れています。有料のテーマでは細部に技を使っているので、他の方のサイトやブログを見ただけで、なんとなく有料のテーマを使用しているか無料のテーマを使用しているかがわかってしまいます。

また、有料のテーマはさまざまな機能を備えていますので、デザインだけでなく、目当ての機能を備えたテーマを使うことができるのも、有料のテーマを使用するメリットです。

有料のテーマとしては、例えばこんなものがあります。

  • JIN(ジン)
  • SANGO(サンゴ)
  • AFFINGER5(アフィンガー5)
  • SWELL(スウェル)
  • 賢威(ケンイ)
  • THE THOR(ザ・トール)

これらのテーマは名前をよく聞くテーマです。多くの人が利用しているテーマですので、設定の仕方など、様々な情報を入手しやすいと思います。

4.Web制作会社に依頼

手間をなるべくかけたくないと思われる場合は、プロにまかせるしかありません。

費用はかかってしまいますが、Web制作会社に依頼すれば、好みのデザインのサイトを制作してくれます。

費用に関してはピンキリです。数万円から100万円を超える場合もあります。

Web制作会社の多くは、ワードプレスでサイトを作成してくれますので、サイトの立ち上げはWeb制作会社に依頼し、その後のブログの更新やコンテンツの追加などはご自身で行うことができます。

5.まとめ

最後に上記の方法の「デザインのかっこよさ」と「難易度」と「費用」をまとめました。

デザイン難易度費用
無料テーマ+写真★★
CSSの編集★~★★★★★★★★★★
有料テーマの使用★★★~★★★★★★★★★
Web制作会社に依頼★★★~★★★★★★★★~★★★★★
まとめ

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ビールのデザインとネーミング

 ビールの缶のデザインとネーミングはどのようになっているのでしょうか?

 またまたスーパーに突撃し、ビール(発泡酒、第3のビールを含むビール類)のコーナーで写真を撮影しました。

 牛乳やジュースなどの紙パックのデザインとネーミングの記事は「紙パックのデザインとネーミング」をご参照ください。

1.スーパーに陳列されているビール

ビールコーナーの写真 ※写真は許可を受けて撮影しています。

 上の写真には、「麦とポップ」、「金麦」、「のどごし生」、「GOLD STAR」、「金麦ゴールド・ラガー」、「本麒麟」、「淡麗グリーンラベル」、「一番搾り」、「黒ラベル」、「ザ・リッチ」、「金麦糖質75%オフ」、「クリアアサヒ」が写っています。

 ビールの缶の色は、金色(あるいは黄色)、青色、白色、赤色、緑色、黒色など、様々な色が使用されています。写真をパッと見た感じ、金色(黄色)の缶が一番多そうです。ビール自体の色が金色なので、当然と言えば当然かもしれません。

 金麦の缶の色は赤色ですが、金麦の文字は金色となっています。また、サッポロビール(黒ラベルやGOLD STAR)の星マークも金色となっています。淡麗グリーンラベルの缶の色は緑色ですが、緑色はライトな印象を与えます。

 缶のデザインとしては、サッポロビール(麦とポップを除く)は白と黒を基調としたシンプルなデザインで、星のマークが特徴的です。

 麒麟ビールの各商品の共通点として、すべての商品に麒麟の絵が大きく描かれています。

 サントリーはメタリックな青や赤の派手な色合いが特徴となっています。後述するアサヒのスーパードライが銀色のメタリックな色合いが特徴であるので、その影響かもしれません。アサヒのザ・リッチは紺色の缶がどことなく高級感を印象付けています。

 ネーミングとしては、生、麦、のどごし、などのビール特有の単語(表現)を用いてビールの品質、特徴の違いを強調しようとしています。私はビール党ですので、上記のほとんどの商品を飲んだことがありますが、それぞれ味の違いはわかります。

ビールコーナーの写真 ※写真は許可を受けて撮影しています。

 上の写真には、「ドラフトワン」、「一番搾り糖質ゼロ」、「プレミアムモルツ」などが写っています。

 「ドラフト」とは英語で「汲み出す」という意味ですが、ビールの場合は「熱処理をしていないビール」という意味です。つまり、「ドラフトビール」とは熱処理をしていない生ビールと同義です。

 麒麟の「一番搾り」は2020年の日本ネーミング大賞で優秀賞を受賞した人気商品です。「糖質ゼロ」は今の健康志向を表しています。ビール腹などの言葉があるように、ビールは他のアルコール類に比べて糖質が多いなどのイメージがありますが、「糖質ゼロ」を謳うことで、このようなイメージを払拭する狙いがあります。

 「モルト」とは麦芽のことで、「モルツ」は粒選り麦芽100%で製造されていることを表現しています。

ビールコーナーの写真 ※写真は許可を受けて撮影しています。

 上の写真には、「プレミアムエール」、「スーパードライ」などが写っています。「スーパードライ」は長く続くアサヒの定番の商品です。シンプルなメタリックな銀色の缶のデザインが特徴です。私も良く飲んでいます。

2.デザイン・ネーミングの分析

ビールのネーミング・デザインの分析

 日本のメジャーなビールメーカーのビールを見慣れているせいか、ネーミングおよびデザインともベタ(ありきたり)でも斬新でもない印象です。

 ビール缶はさまざまな色が使われていますが、それほど斬新なデザインだとは思いませんでした。

 消費者(購入者)の多くが大人の男性、特に中年以上の男性が多いと思われますので、あまり斬新なデザインは好まれないのかもしれません。

 スーパーにはあまり置いてありませんが、地方にだけ売っているような地ビールのデザイン・ネーミングは面白いものがあるのかもしれません。

 アマゾンの「ビール売上ランキング」(2020年10月13日)は、
1位は「アサヒ スーパードライ 350ml 」
2位は「サッポロ 黒ラベル 350ml 」
3位は「サントリー ザ・プレミアム・モルツ 350ml 」
 やはり長く愛されている定番のビールが強いみたいです。

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紙パックのデザインとネーミング

 紙パックの飲み物は、どのようなデザインで、どのようなネーミングとなっているんでしょうか?

 スーパーに突撃し飲み物のコーナーの写真を撮影しました。

目次

1.スーパーに陳列されている紙パック商品

牛乳コーナーの写真 ※写真は許可を受けて撮影しています。

上の写真は牛乳のコーナーの写真です。

写真には、「特選よつ葉牛乳」、「おいしい北海道牛乳」、「雪印メグミルク牛乳」、「千葉県産地限定酪農牛乳」、「タカナシ低温殺菌牛乳」、「タカナシ低脂肪乳」、「ならしの牧場牛乳」、「ザ・牛乳」、「明治おいしい牛乳」、「北海道牛乳」が写っています。

牛乳のパッケージは、やはり白を基調としているものが多いですね。白と他の色との組み合わせとしては、白と緑、白と青、白と赤、白と黒の組み合わせがみられます。

緑は牧場のイメージ、白と黒は乳牛(ホルスタイン)のイメージのようです。白と青はさわやかなイメージ(青は空のイメージでしょうか)を想起させるようです。

牛乳のコーナーでは、赤色のパッケージ(雪印メグミルク)が珍しいため、赤色が目立っているように感じます。

また、写真では見えにくいですが、「おいしい北海道牛乳」のパッケージの色は銀色です。他のパッケージは白を基調としているので、やはり目立っています。

デザインとしては、比較的シンプルですね。あまりゴチャゴチャした感じがありません。牛乳ではゴチャゴチャしたデザインは消費者に好まれないようです。

ネーミングとしは、ストレートに表現しているものが多いです。味(おいしい)、産地(北海道、千葉、牧場名など)、成分(低脂肪)、製法(低温殺菌)をネーミングにそのまま使っています。

パッケージには、商品名以外の部分に、産地、成分などが表記されているので、各商品は全体的に同じようなことが表記されている印象があります。

「明治おいしい牛乳」と「雪印メグミルク」がどこのスーパーにも置いてある定番の牛乳の印象です(あくまで個人の見解ですが)。

「明治おいしい牛乳」が初めて発売されたとき、「おいしい」とストレート表現する手法は、斬新に感じました。

「雪印メグミルク」は、「恵み」と「ミルク」を掛け合わせた言葉だと思います。この名前は、今では多くの消費者に浸透しています。

牛乳・豆乳コーナーの写真 ※写真は許可を受けて撮影しています。

上の写真は牛乳と豆乳のコーナーの写真です。

写真には、牛乳としては「カルシウムと鉄分の多い低脂肪ミルク」、「すっきりCa鉄」、「森永乳業PREMIL」、「毎日骨太」、「おなかにやさしく」、「明治おいしい低脂肪乳」、「明治おいしいミルクカルシウム」、「まきばの空」が写っています。

豆乳としては「特濃調製豆乳」、「豆乳飲料麦芽コーヒー」、「調製豆乳」、「さらっと北総低脂肪」、「大地と酪農の恵み」、「有機豆乳」が写っています。

こちらも、牛乳のパッケージは白を基調としています。

また、ネーミングには、成分(カルシウム、鉄分(骨太も鉄分の表現)、低脂肪など)、のみやすさ(やさしい、さらっと)などが表記されています。

森永乳業の「PREMIL」は目立っているように感じます。PREMIUMとMILKを掛け合わせた造語ですが、パッケージのデザインも少し高級感を感じさせます。

豆乳のパッケージの場合、白を基調としているものよりも、緑(畑?)を基調としているものが多いイメージです(コーヒー味の場合は茶色)。

豆乳の場合も、ネーミングとしは、味(特濃、コーヒー)や成分(調製、無調製)、製法(有機、調製)をストレートに表現しています。

ネーミング・パッケージのデザインの手法としては、牛乳と豆乳は似たような印象を持ちました。

ジュースコーナーの写真 ※写真は許可を受けて撮影しています。

上の写真はジュースのコーナーの写真です。

写真には、「コップ一杯一日分の鉄分&葉酸」、「森永マミー」、「一杯の青汁豆乳ミックス」、「ドールオレンジ」、「ドールアップル」、「のむ果実国産マスクメロン」、「のむ果実国産いちご」、「48種の濃い野菜」、「KAGOME野菜生活」、「アセロラビタミンC」が写っています。

ジュースのパッケージの場合、果物、野菜を連想させるために、果物、野菜の色が使われています。

また、パッケージには、ジュースの味(オレンジ、アップル、グレープ、メロン、野菜など)の絵が描かれているものが多いです。これもわかりやすいです。

ネーミングも、牛乳と同じように、味(果物の種類、野菜の種類、濃い)、産地(国産)、成分(鉄分、ビタミンC)をストレートに表現しています。

お酢の飲み物コーナーの写真 ※写真は許可を受けて撮影しています。

上の写真はお酢の飲み物のコーナーの写真です。

写真には、「黒酢飲料」、「ばあちゃんの赤しそドリンク」、「黒酢で活性」が写っています。

パッケージの色はカラフルです。赤、黒、青、緑、黄など様々な色が使われています。

ネーミングについては、牛乳や豆乳と同じように、成分(黒酢、赤しそ)などをストレートに表記しています。

2.デザイン・ネーミングの分析

 紙パックの場合、中身をイメージさせる色やデザインが使われ、ネーミングも味、産地、成分、製法などをストレートに表現することが好まれています。

紙パックのネーミング・デザインの分析

 上の表に示すように、紙パックのパッケージの商品は、ネーミングおよびデザインのいずれも「ベタ(ありきたり)」の範囲に属しています。

 どんな内容(中身)の商品であるかが解りやすく表示されているので、消費者(購入者)が購入しようと思っている内容の商品を間違えてしまうことはありません。

 逆に、消費者(購入者)は購入しようと思っていた内容と異なるものであった場合に不満に思ってしまいます。

例えば、消費者が牛乳だと思って購入したのに牛乳ではなかった場合、クレームがつくおそれさえあります。この点で紙パックの飲み物はデザイン・ネーミングとも他の商品との差別化を図るのが難しい商品です。

 牛乳の場合、白色を基調したパッケージなので、一目見て牛乳であると解ります。牛乳のパッケージの色が白色以外の色を基調としていると、その色のイメージの飲み物や味であるとの誤解を招いてしまいます。

例えば、紫色であると「グレープジュース」や「グレープ味」だと顧客が思ってしまい、オレンジ色であると「オレンジジュース」や「オレンジ味」だと顧客が思ってしまいます。

 また、ある割合の消費者が味、成分、製法などを気にして商品を購入しているから、あえてデザインやネーミングに関して冒険をする会社が少ないのだろうと想像しました。

 さらに、健康や体に良いなどのイメージを損なわない方がメリットが大きいように思います。

 一方、個人的には面白みに欠ける気がします。今回は東京の一般的なスーパーで売っている紙パックの飲み物を紹介しましたが、地方にだけ売っている紙パックの飲み物では特徴的なものがあるのかもしれません。

3.消費者の心理

スーパーで紙パック商品を購買する消費者は、「味」と「価格」を購入の基準にしています。

「味」が好みかどうかは重要の要素の1つです。例えば、牛乳の場合、濃い味か、あっさりした味かなどの好みが消費者にはあります。

以前に購入した商品が自分の好みの味だったかどうかで、再度購入しようかどうかを意識的又は無意識に決定しています。私の場合、新しい商品を試しに購入してみようとは思わないタイプなので、飲みなれたものを購入する傾向があります。

「価格」も重要な要素です。特にスーパーの場合、安さを売りにしているお店が多いので、1円でも安く商品を購入しようという心理が働きます。

このように、紙パックの飲み物は、パッケージのデザイン・ネーミングの重要度が相対的に低い商品であると言えます。

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