会社のネーミングの分類

会社のネーミングの分類

 会社名はどのように決められているのでしょうか?

 無数にある言葉の中から会社名をどうしてその名前にしたのでしょうか?

 会社の名前は、ほぼ制約なく自由に決めることができます(会社名として使用可能な文字・記号と使用が禁止されている文字・記号については「会社名(商号)を決める際の最低限のルール」をご参照ください)。

 星の数ほどある会社名のネーミングの分類を私なりに考えてみました。

目次


1.商品・サービスの内容を連想させる名称を会社名とした場合

 出前館(出前の代行)、バイク王(中古バイクの買取・販売)、アスクル(ASKUL:注文した商品が明日届く。明日来る)など

 これらは会社名から会社が提供する商品・サービスの内容がわかりやすいのが特徴です。

2.商品・サービスの内容と関係がない単語を会社名とした場合

 果物(apple)、動物(LION、タイガー、すかいらーく)、英語の単語(シャープ、LINE)、自然(スカイ)、など

 これらは単語のイメージ(強い、優しい、やわらか、さわやか等)を連想させる効果があります。

3.英語以外の外国語の単語を会社名とした場合

 ジブリ(イタリア語:サハラ砂漠に吹く熱風)、メルカリ(「マーケット」という言葉の起源であるラテン語で「商いする」という意味)など

 これらは、ほとんどの日本人は単語の意味を知らない(知らなかった)でしょうが、名前を付けた人の単語の意味や語感・音感へのこだわりを感じます。

 好きな単語、会社の思想やビジョンに合った単語やフレーズなどをGoogleの翻訳機能で訳してみて、気に入った言葉の響きがあるものを選んでみるのも良いかもしれません。

 例えば、「城」は英語で「castle」ですが、ちょっとひねりがない感じがします。「城」をスペイン語に翻訳してみると「castillo」、オランダ語に翻訳してみると「kasteel」です。なんだか違った雰囲気が出てきます。

4.人名(人の名前)を会社名とした場合

 ホンダ、マツモトキヨシなどの創業者(本田宗一郎、松本清)の名前を付けるのが一般的です。

 ただし、電気自動車メーカーのテスラのように創業者とは関係ない場合もあります(ニコラ・テスラはエジソンのライバルと呼ばれた電気技師、発明家)。

 フォードやマクドナルドのように外国の企業も創業者の名前を付けているものが多くあります。

 日本の場合、名字(姓)だけを会社名につけるのが一般的ですが、マツモトキヨシのようにフルネームを会社名にして、それをカタカナで表記するのはドラッグストアとしてはかなり珍しい印象を与えています。

 ファッションブランドなどは、デザイナーのカリスマ性を全面に出した方が良いこともあり、デザイナーのフルネームの表記を会社名(ブランド名)にしている印象があります。

 ブリヂストンは創業者「石橋正二郎」の姓「石橋」を英訳し、それを逆さにして命名されたことは有名な話です。会社の命名にはこんなパターンもあります。

5.地名を会社名とした場合

 日立、信越化学工業など

 ほとんどの場合、創業地、会社の本社の場所となっています。

6.2つ以上の単語の組み合わせを会社名とした場合

 IT系だとソフトバンク、サイバーエージェントなど

 2つ以上の単語を組み合わせて新たな意味を産み出しています。これらは、次にあげる完全な造語よりも覚えやすいように思います。

 例えば、出前サービスの会社の場合、出前は英語で、food delivery(service)やcatering(service)などと訳せますが、「速い」を強調するためにspeedを付けると、Speed Deliveryになります。ちょっとベタな印象がありますが・・

7.造語を会社名とした場合

 ソニー、ユニクロ、ZOZO、Google、Instagramなど

 これらは、それまで世の中に存在しなかった新たな語彙を作っています。最初はなかなか覚えてもらえないおそれがありますが、一旦世の中に浸透すると、他社と区別して覚えてもらえる特徴があります。

 例えば、先ほどの「出前」の例では、speed deliveryをもじってspeedelivery→speedelive→speedeli
のような感じになります。

8.略称を会社名とした場合

 東レ(東洋レーヨン)、クラレ(倉敷レイヨン)、日産(日本産業)など

 これらは、歴史の古い会社が名称変更する場合に、より覚えてもらいやすいように略称にすることが多い印象があります。

9.アルファベット2文字、3文字以上を会社名とした場合

 2文字だとAU(携帯通信会社)、GM(自動車会社)、GU(衣服)など、3文字だとGOM(IT企業)、TBS(テレビ局)、HIS(旅行代理店)、4文字だとKDDI(携帯通信会社)など

 これらは英語名の略称であることが多いです。アルファベットという記号からなるので、特定のイメージを持たせないという特徴があります。

 悪いイメージを持たれるおそれが少なく、名前以外で会社のイメージを作っていくことができます。最初は、何をやっている会社なのか認識されにくいことはあります。

10.数字だけ、英数字を会社名とした場合

 十八銀行などのように漢数字+銀行は多くあります。109は東急のことなので違います。

 英数字の場合、17LIVEというライブ配信のサービスを提供している会社名があります。

 数字だけだと覚えにくいので、企業などの名前としては少ないような印象があります。

 歴史の授業で学ぶ年号を語呂で覚えた記憶があります。いい国作ろう鎌倉幕府(1192年)、泣くよウグイス平安京(794年)。

 それだけ数字の羅列は覚えにくい。このため、個人的には、数字だけの名称はどうかなあと思っています。1桁か2桁ぐらいなら覚えやすいと思います。語呂で覚えやすい数字はいいかもしれません。


創業が古い会社と新しい会社

 創業が古い会社は、創業者を冠した会社名や地名が付いた会社名が多い印象があります。

 一方、創業が比較的新しい会社は、造語又は2つ以上の単語(特に英語)を組み合わせたものが多いように思います。

 格好いい名前と思われるためには、その後の企業の成長やイメージによるところがあります。

 また、創業が古い会社は、漢字やカタカナで表記しているものが多く、創業が新しい会社は、アルファベットで表記しているものが多いように思います。


会社名を決めた由来について

 「どうしてこの会社の名前にしたんですか?」と聞かれることを想定して、会社の名前を命名する際に、何かちゃんとした意味を持っておいた方が良いように個人的に思っています。

 子供に「どうして私の名前は○○なの?」と聞かれて、「なんとなく」と答えるだけでは、がっかりされるだけです。「へー、そうなんですね」と言われるような何かの理由があった方が聞いた相手の印象に残りやすいと思います。

 ※Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅのプロデューサとして有名な中田ヤスタカ氏は、テレビで「自身の楽曲の詞にメッセージを込めていない」と語っていたのを思い出しました。

 メロディに合った言葉・フレーズを選んで作詞している、と話していたような記憶があります。アーティストは詞にメッセージを込めるものだと思っていたので、その話を聞いて少し衝撃を受けました。このように語感や音感で会社の名前を決めるのもアリかなとも思い直しています。

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